ハルとオオカミ



「アキちゃんどうしよう……泣きそう……」

「いや、もう泣いてるし……。ていうかなんでこんなことになってんのか謎。昨日のホームルームまでは仲良く話してたもんねえ。昨日も、ふたりで旗作ったんでしょ?」

「うん……」


アキちゃんがよしよししながら慰めてくれる。


ほろほろ泣きながらお弁当箱を開けて、白米を食べた。なんかしょっぱく感じる。あ、こんなシーン、国語の教科書であったな……。


「……私といたら、周りから勘違いされるから面倒くさく思っちゃったんだと思う。朝、そのことで面倒くさいって言ってたし」

「あー、確かに。今のところはそれがいちばん可能性あるかもね……」

「私の気持ちって、周りから見たらバレバレだったりする?」

「いやー、どうだろう。はるは誰にでも優しいから、五十嵐にだけ特別優しいってわけじゃないし。単に五十嵐が普段誰とも関わらないから、はるが特別五十嵐と仲良く見えるだけでしょ」

「……そっか……」


一匹狼で問題児な男子と、この学校で唯一積極的に関わってる存在、それが私。


傍目に見たら、『そういう関係』だって思っておかしくないんだ。それはわかってる。


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