久遠の絆
それが5年ほど続き、父親は再婚した。


正直ほっとした。


これで父親の欲求が義母の方に向かえば、自分は解放されるはずだ。


そう思った。


しかし父親は変わらなかった。


そしてそれは義母の知るところとなりーーー。


彼女は、義母からの虐待も受けるようになる。


嫉妬からか、義母の怒りは蘭に向けられ現在に至る。


蘭の精神は蝕まれ、自傷行為を繰り返していた。


もともと内向的ではあった。


友達と呼べるものも僅かで、相談する相手もいなかった。


義母の逆恨みのような折檻を受けるようになってからは、より内に籠もる傾向が顕著になっていく。


それがまた両親の苛立ちを誘うことになり。


麻生家は、崩壊の一途を辿っているのだった。



























< 12 / 810 >

この作品をシェア

pagetop