久遠の絆
◇◇◇





その船の最深部にある司令官室で、シド・フォーンと隻眼の男が他者を交えず会話をしていた。






「予定通り、前線でも戦闘が再開されたようですね」


「ああ」


「『伝説の巫女姫』も用意された部屋に落ち着かれたようです」


「そうか。失礼のないようにしてくれ」


「はい、そのように申し伝えます。……シドさま、何故あの集落に『巫女姫』だけでなく、『瑠璃の巫女』が?」


「さあな。しかし結果として我々に都合の良いようにことが運んでいる。けっこうなことじゃないか」


「本気でそう思われているようには見えませんが」


「そう、見えるか?」


「見えますね」


平然と見透かしてしまう腹心の部下から視線を逸らして、シド・フォーンは考え込むように机に片肘を突いた。


「シドさま?」


「ヘラルド」


「はい」


「『瑠璃の巫女』が我々の手に落ちたと知ったら、あいつはどうするだろうな?」


「あいつ……とは……カイルさまのことですか?」


「聞かずとも分かるだろう」


するとヘラルドと呼ばれた碧眼の男はふっと浅い笑みを浮かべた。


「なんだ?」


「いえ、なんでも」


「気持ち悪いから話せよ」


「では、申し上げます。そこまでカイルさまのことを気にされるのに、何故あの方と逆の道を行かれようとするのです?」


「……」

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