久遠の絆
「我々にとって本国とは、ガルーダです」


「え、でも、今戦争してるんじゃ?」


その最中に帰るのか?


驚く蘭に、しかし彼は表情ひとつ変えず、

「では、今しばらくこちらでお寛ぎください」

と言って去ろうとした。


「ちょ、ちょっと待ってください!」


「何か?」


「あの、わたし、これからどうなるんですか?」


「それを聞いて、状況が変わるとでも?」


「え、いや……」


どうも、彼のこの瞳で見られると、『蛇に睨まれた蛙』状態になってしまって頭が働かなくなってしまう。


「では失礼します」


つまりここで大人しくしていろ、と。


そういうことだ。


「何しに来たのよ……」


また元のように一人きりになってから、蘭は愚痴めいたものを溢したのだった。






















< 199 / 810 >

この作品をシェア

pagetop