久遠の絆
(こんな所にまで、攻撃が?)


同盟軍は何故ここを攻撃する必要があったのか。


利点などまったくないような場所なのに。


ニアスは腑に落ちないまま、ゆっくり集落へと近付いて行った。


家々からは黒煙が上がり、生存者がいるかも分からない。


(ここへの攻撃なんて知らなかったぞ)


オペレーターたちからも報告が上がっていない。


まったく秘密裏に行われた攻撃だったのだろうか。


(だとすれば、同盟軍はますます卑劣な奴らだ)


ニアスの中に怒りがふつふつと沸き上がっていく。


心の中で同盟軍に対し罵声を浴びせながら歩いていると、あと少しで集落の入り口とい
う所で、ドンと何か重たいものが体当たりしてきた。


「うわっ!」


叫んでもんどり倒れると、すぐさまそれが上に圧し掛かってきた。


「なんだよ?!」


見えたのは、鋭利な刃物だった。


それがニアスの首に突きつけられる。


「同盟の犬め!」


呻くように告げられた言葉に、ニアスの胸がドクリと波打った。


「僕は帝国の人間だっ」


上の人間を押しのけようともがくと、ふっと相手が力を抜いたのを感じた。


「帝国の……?」


唖然としたような声に顔を向けると、いまだ剣呑な光を浮かべる褐色の瞳にぶつかった。


「そうだよ。僕は帝国空軍に属している」


「……」


褐色の瞳に褐色の肌を持った青年は緩慢な動きで刃物を納め、ゆっくりニアスの上から体を離すと、「すまない」と言って頭を下げた。


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