久遠の絆
「頭の中で整理してきたつもりだったのですが、いざとなると何からお話しするべきか」
「カイルさんは、どこの国の人なんですか?」
その質問に、カイルは少し苦笑した。
今度は蘭が小首を傾げる番だった。
(どういった意味の苦笑なんだろう)
カイルは何か思案しているようだった。
それでも、手は淀みなくオートミールを蘭の口に運んでいる。
そしてしばらくして意を決したように口を開いたのだ。
悲しげに揺らいでいた瞳には、力強い光が灯っていた。
「私は当然、蘭さまのお国の者ではありません」
「そうでしょうね」
「……私は蘭さまのおられる世界、つまりこの地球を含む“宇宙というひとつの世界”とは違う“別の世界”から来たのです」
「?????」
蘭の目はまさに今、点になっている。
カイルはそんな蘭の様子を一瞥すると、サイドテーブルに深皿を置いて立ち上がり、べッドの反対側に歩いて行った。
それを目で追っていくと、無機質な金属ばかりと思っていた壁に、丸い模様があることに気付く。
(飛行機の窓みたい)
そう思ったら、カイルは取っ手のようなものを摘まんで、するすると上に引き上げた。
それは、本当に窓だったのだ。
サイズは旅客機のものに比べると大きいが、形状はまったく同じ。
「我々は、次元と次元の間を飛行できる船に乗っているのですよ」
カイルはあくまで淡々と告げた。
「カイルさんは、どこの国の人なんですか?」
その質問に、カイルは少し苦笑した。
今度は蘭が小首を傾げる番だった。
(どういった意味の苦笑なんだろう)
カイルは何か思案しているようだった。
それでも、手は淀みなくオートミールを蘭の口に運んでいる。
そしてしばらくして意を決したように口を開いたのだ。
悲しげに揺らいでいた瞳には、力強い光が灯っていた。
「私は当然、蘭さまのお国の者ではありません」
「そうでしょうね」
「……私は蘭さまのおられる世界、つまりこの地球を含む“宇宙というひとつの世界”とは違う“別の世界”から来たのです」
「?????」
蘭の目はまさに今、点になっている。
カイルはそんな蘭の様子を一瞥すると、サイドテーブルに深皿を置いて立ち上がり、べッドの反対側に歩いて行った。
それを目で追っていくと、無機質な金属ばかりと思っていた壁に、丸い模様があることに気付く。
(飛行機の窓みたい)
そう思ったら、カイルは取っ手のようなものを摘まんで、するすると上に引き上げた。
それは、本当に窓だったのだ。
サイズは旅客機のものに比べると大きいが、形状はまったく同じ。
「我々は、次元と次元の間を飛行できる船に乗っているのですよ」
カイルはあくまで淡々と告げた。