久遠の絆
次元と次元?
さらに訳がわからなくない。
「えっと、つまり……」
どういうことだ?
蘭の頭の中が整理されるのを待つかのように、カイルは窓辺に佇んだまま彼女に視線を注いでいる。
その間にも窓の外では白い雲が後方へと流れて行く。
ゴーーという音。
(そうか、この音は、この船が飛んでいる音なんだ)
空を飛ぶ船。
(え、ということは?)
「ええ!じゃあ、わたし、日本からどっかよそに行っちゃうのっ?!」
あまりの驚きに勢いよく起き上がろうとした途端、また下半身を激痛が襲った。
たまらず体を硬直させる蘭の側にカイルは慌てて駆け寄ると、声もなく呻く彼女に大丈夫ですか?」「痛み止めを持って来させましょう」などと心配そうに声をかけた。
そんな彼に蘭は息も絶え絶えに、「大…丈夫……だから」と答えている。
それでもカイルは「やはり痛み止めを」などと呟きながら、インターフォンの方に向かっていく。
「カ、カイルさん」
受話器を手に取りながらカイルは振り向いた。
「ほんとにダイジョブですから、もう、そんなに心配しないで……」
布団の中で懇願するようにこちらを見る蘭を彼はじっと見つめていたが、少し経って小さく溜息をつくと受話器を置いた。
「本当に大丈夫ですか?遠慮されているなら、そのようなことは無用に願います」
肩に掛かったマントをはらりと払い、カイルは蘭の反応を窺うように目を細めた。
(う、かっこいい……)
本当は格好いいという言葉だけでは言い表せないのだが、何しろ蘭の語彙力ではその程
度が限界だったのだ。
さらに訳がわからなくない。
「えっと、つまり……」
どういうことだ?
蘭の頭の中が整理されるのを待つかのように、カイルは窓辺に佇んだまま彼女に視線を注いでいる。
その間にも窓の外では白い雲が後方へと流れて行く。
ゴーーという音。
(そうか、この音は、この船が飛んでいる音なんだ)
空を飛ぶ船。
(え、ということは?)
「ええ!じゃあ、わたし、日本からどっかよそに行っちゃうのっ?!」
あまりの驚きに勢いよく起き上がろうとした途端、また下半身を激痛が襲った。
たまらず体を硬直させる蘭の側にカイルは慌てて駆け寄ると、声もなく呻く彼女に大丈夫ですか?」「痛み止めを持って来させましょう」などと心配そうに声をかけた。
そんな彼に蘭は息も絶え絶えに、「大…丈夫……だから」と答えている。
それでもカイルは「やはり痛み止めを」などと呟きながら、インターフォンの方に向かっていく。
「カ、カイルさん」
受話器を手に取りながらカイルは振り向いた。
「ほんとにダイジョブですから、もう、そんなに心配しないで……」
布団の中で懇願するようにこちらを見る蘭を彼はじっと見つめていたが、少し経って小さく溜息をつくと受話器を置いた。
「本当に大丈夫ですか?遠慮されているなら、そのようなことは無用に願います」
肩に掛かったマントをはらりと払い、カイルは蘭の反応を窺うように目を細めた。
(う、かっこいい……)
本当は格好いいという言葉だけでは言い表せないのだが、何しろ蘭の語彙力ではその程
度が限界だったのだ。