久遠の絆
「僕が蘭さまを興奮させてしまったんです。申し訳ありませんでした」


ニアスは主であるカイルの背中に頭を下げた。


「ち、違うんです。ニアスが悪いんじゃないんです。わたしがただいろんなこと思い出しただけで」


「これはあなたを無理矢理お連れした、わたしの責任です」


「え?」


「我々はあなたをこの世界にお連れするために、次元の壁を越えたのですよ」


「わたし、を?なんで?」


(何でピンポイントでわたしなんだ?)


また頭が混乱してくる。


「部下が車で走っていたのも、蘭さまをお連れするためだったのです」


「ええ?」


「我々には蘭さまのお力が必要なのです。それが、蘭さまにお怪我を負わせることになってしまいました。それが偶然だったのか、必然だったのか。いずれにせよ我々はご家族に断りもなく、あなたをここに連れてきてしまった……」


カイルの顔に苦悶の色が見て取れる。


(ああ、彼も苦しんでるんだ)


彼にそんな表情をしてほしくなかった。


「わたしはいいんだよ」


思いを込めて伝えた言葉に、カイルもニアスも驚いている。


「家族って言っても、本当の家族じゃないもの。一緒に暮らしてたけど、家族じゃないんだ」


朗らかに言う蘭。


「この世から消えてしまいたくて死に場所を探してたわたしを、必要だと言ってくれるんだね」


それにカイルは力強く頷いて見せた。




「……ありがとう。」







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