久遠の絆
「でもひとつ聞いてもいい?」


「はい、なんなりと」


「何の力も持たないわたしが、わざわざ異世界から迎えに来なきゃならないくらいどうして必要なの?」


「それは……私は軍人ですから、蘭さまをお連れすることが任務であって、あまり詳しいことは聞いていないのですよ。
本国についてから詳しい者によって説明させて頂くことになるかと思います」


そう言ったカイルの瞳が微妙に揺らいだ。


(嘘を言ってる)


なぜか分かってしまった。


(この人嘘をつけない人なんだ)


自分の中で、ますます彼の好感度が上がるのを感じた。


それと共に彼ほどの人が今ここで言うことをためらうような事なのだとしたら、それはとても説明するのが困難な、複雑なことなのかもしれないと思う。


「カイルさんたちの世界ってどんな所なの?」


「この世界は、二つの大陸に分かれ、大陸は海に囲まれています。」


「へえ、海があるんだ……」


「はい、それは蘭さまの世界と同じですね。そして私たちの国は北の大陸にあり、ダンドラーク帝国といって、もうあと僅かで着くのですよ」


「ダンドラーク、帝国?」


「はい」


「ふうん。着くのが楽しみだなあ」


そう言って朗らかな表情になる蘭。


「閣下、そろそろでは?」


それまで一言も挟まずに佇んでいたニアスが、そう言った。


「ん?ああ、そうだな……。そろそろ帝国の空港ですから、私は管制室の方に戻らなくてはいけません。ニアスをお傍に控えさせておきましょう」


「どこに行くの?」と言いたげな顔で見返す蘭に、そう言って安心させるように微笑んで見せた。


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