久遠の絆
「いたたた」


「我慢しろよ、蘭。」


シドは渾身の力で蘭を引き寄せ、そのまま地面に転がるようにして蘭を抱き留めた。


その上をまた強い風が吹き抜ける。


「シド、ありがと」


起き上がろうとすると、背中に廻ったシドの手にくっと力が入った。


「シド?」


「もう少しこのままで、って訳にはいかんよな」


悪戯っ子そうに片目をつぶって見せるシド。


「あ、当たり前でしょ」


蘭は無理矢理体を起こして立ち上がった。


「行こう、シド」


「ああ」


シドの瞳が切なそうに揺らいでいる。


蘭はそれに気付かないふりをして、また登り始めた。


シドの手がすっと伸びて蘭の手首を掴んだ。


「これくらいはいいだろ?」


「う、うん」






風はいっそう強くなり、目を開けているのもやっとだ。


やがてふたりは、岩の上を這うようにして登るしか出来なくなった。


(カイル、あの足でここを登るの大変だ)


そう思った途端に、また頭がズーンと重たくなった。


(まただ。何なんだろ、これ)


カイルのことを考えるた時はいつもだ。


カイルだけでなく、シドのことを思った時も同じだった。


(わたし、またおかしくなっちゃったなかな)


耐えられず、考えるのをやめるしかなかった。


蘭はまた角度の急な坂に向き直る。


頭の中を無にして。


「行けるか?」


「うん。大丈夫」


いくら苦しくても、ここで音を上げることは出来ない。


何としても神殿に辿り着かなければならないのだから。


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