100回の好きの行方
 必死で声を我慢していた声が出てしまったことで、そこからは我慢することも忘れて、甘い声が部屋中に溢れた。

 篤人は涼しい顔をしながら、麻嘉のトロンとした顔を見つめている。

 麻嘉は、甘い攻めを受けながらボーとした思考の中、自分ばかり悪い気がして、触ったことのない男の部分にそっと手を伸ばしてみた。

 まさかそんなことをしてくるとは思っていなかった篤人は、触れられた時、"んっ"とせつなげな声を出した。

 それでも、手を振り払われるわけじゃなく、拒まれるわけじゃないため触っていると、自分を攻める篤人の行動が、より一層激しさをました。 

「…まひ…ろ。気持ち良さそうだな。」

「ぁ…ん。…ぁぁっ。…もう…。」

 胸の近くを強く吸われ、頭の中がもうすでに真っ白だ。

「んっ。何?」

「ぁん。…もう、…もう。無理…。」

 わざと、意地悪して聞いてくる。

 もう、限界なのは気がついてるはずなのに。

「じゃ一緒に。」

と耳元で囁かれ、ふたりは一際強い快楽の波に飲まれていった。

< 119 / 188 >

この作品をシェア

pagetop