ある雪の降る日私は運命の恋をする
そのまま、ずっとゴロゴロ寝室で寝ていると、ガチャ という音がして、楓摩が帰ってきた。

ベッドから、起き上がって楓摩を出迎えようとする。

だけど……

ベッドから起き上がった途端

フラッ

床が近付く。

目眩がして、私は床に倒れ込んだ。

なんで、こんなに私の体は弱いんだろう…

なんだか、悲しくなって涙も出てくる。

私が倒れた音を聞いてか、楓摩は急いで部屋に入ってきてくれた。

「朱鳥っ、大丈夫?どうした?」

「……ごめん…、楓摩。もう、大丈夫。ちょっと、目眩がしただけだから……」

そう言うと、楓摩は昨日のように悲しそうな顔をした。

「朱鳥、本当に大丈夫?我慢してない?」

「大丈夫だよ……」

少しだけぶっきらぼうに答えて、楓摩から目線を外す。

すると、もっと、悲しそうな表情をする楓摩。

「朱鳥、泣いてるじゃん……。なにが、大丈夫なの?我慢…………してない?」

我慢 という単語を聞いた途端、学校の事を思い出した。

色々な感情が、心の中をグルグルと周り、気持ち悪くなる。

胸が張り裂けそうなほど痛くて辛い。

さっきは、少しだった涙も、溢れて止まらなくなった。

楓摩は、そんな私を見てか、私の事を強く抱きしめてから背中を摩ってくれた。

私が泣き止むまで、ずっと楓摩は傍にいてくれた。
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