ある雪の降る日私は運命の恋をする
「朱鳥、おはよー」

ガラッと扉を開けて、病室に入る。

すると、朱鳥はまだ眠っていた。

「朱鳥、起きてー」

少し、肩をトントンと叩くと、朱鳥はうっすらと目を開けた。

「…ん…………おはよ……」

「おはよ。起きてそうそうで悪いんだけど、体温計って?」

「ん……」

体温計を渡すと、朱鳥は眠そうな目を擦ってからノロノロと体温計を脇にはさんだ。

その間に、俺は朱鳥の脈を計る。

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

「はい」

朱鳥から、渡された体温計の表示を見る。

「うわっ、熱あるじゃん。」

「へ?」

朱鳥に渡された体温計には、38.3という文字。

少しだけ脈も早いな…

でも、このくらいなら冷えピタで下げれる。

「朱鳥、冷えピタ持ってくるから、待ってて。」

「うん」

今日の朱鳥は、いつもよりは辛くなさそうだ。

…でも、もし熱が下がらずに、上がってきたら、この後また苦しそうな顔を見ることになるのかな……
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