追い詰められた...かぐや姫
─十日前─

私は城下町に用があり、馬車に乗り街を移動していた。

街には倒れている者。一輪車を押している者。皆服はボロボロで顔は土や血や汗で汚れていた。


「汚いな。」


対して私は金の糸で刺繍された白の軍服のような物を着ている。勿論清潔である。

私はすぐに街の者達から興味を失った。


暫くして、ガタンッと車体が揺れ続いて御者の怒鳴り声が聞こえた。

どうしたのか聞いてみると女と子供が飛び出して来たという。


こちらは忙しいのになぜ心中に巻き込まれなくてはいかないのだ。


何故だか腹が立ち、外に出て2人と対峙した。


< 28 / 33 >

この作品をシェア

pagetop