それはきっと、君に恋をする奇跡。


今の陽菜を見せてやりたくて、スマホで写真を撮っては遥輝に送った。

陽菜から放課後に誘われたときは驚いたが、チャンスだと思った。

陽菜の好みは遥輝から散々聞かされていた。

クレープの好みもインプット済み。

陽菜を笑顔にするために、俺は必死だった。

プリクラを撮るときは、小銭を落として陽菜をひとりで撮影させた。

それを遥輝のスマホに貼ってやると、すごく喜んでいた。




───遥輝を嫌いになりたい。


そう告げられた時は本当に胸が痛かった。


遥輝を忘れるな……そう思いながらも、陽菜のツラさを取り除くには遥輝の影を消さなきゃいけない。


……すげえツラい……。



『そんなに想われて、彼は幸せだな』



今だって、ずっと想ってんだよ。



『キライになんて、ならなくていいんだよ』



……それだけは絶対にだめだ。



『俺が陽菜を笑顔にするし、元気が欲しけりゃいくらでも歌ってやる』



……それが遥輝の願いだから。



『好きだった人を嫌いになるなんてツラいことしようとするな』



……遥輝のために。



そこだけは、どうしても譲れなかった。

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