会いたい
車で移動していると、MAKIDAIと楓と工藤とのグループLINEにメールが来た。

…来週の水、木で東京に行くことになりました。MAKIDAIさんの都合がよければ、お会いしたいのですが、ご予定の方はいかがですか?…

「あ、楓さん、来週、東京に来るって」

楓のメールにMAKIDAIは、嬉しそうに反応する。

マネージャーが手帳を広げる。

「来週かぁ。夜でもいいかな?」

「聞いてみる?」

MAKIDAIがメールを送る。

…水曜日の夜、大丈夫?…

…セミナーが19:30〜21:00までなんです。…

楓からすぐに返事。

「んー、次の日は大阪だしなぁ、21:00以降でもいいかなぁ?」

「俺は、全然いいけど、楓さん、そんな遅くで大丈夫かなぁ?聞いてみるか」

…木曜は、大阪なんで、水曜の21:00以降でも大丈夫ですか?…

…私は、21:00でも大丈夫ですが、MAKIDAIさん、翌日大阪なら、遅い時間だと大変ですよね?今回は急な予定なので、また、次の機会でも大丈夫ですよ…

楓は、MAKIDAIを気遣ってそう返事して来たが、

…僕は遅い時間はいつものことなので大丈夫です。せっかくなんで、是非お願いします…

…分かりました。無理言ってすみません。次は、MAKIDAIさんの予定に合わせますね。…

…こちらこそ、わがまま言ってすみません。…

「来週かぁ、火水木金土日月火、あと8日、一週間以上先かぁ」

MAKIDAIは、メールのやり取りが終わるとすぐに楓に会える日を指折り数える。

楓に会うのが楽しみなようだ。

最近はDJの仕事で、イベントやライブなどで地方に行くことが多いMAKIDAIだが生放送がある日は東京にいる。

楓は、東京でのセミナーの講師の仕事と翌日は料理教室の仕事の依頼が入った為、泊まりで行くことになった。

…「楓、いつも急でごめんねぇ。予定してた講師が都合悪くなっちゃって」

「いいよ、いいよ。そっちで新しい仕事も引き受けたばっかだから、丁度東京にも行きたかったし」…

仕事の依頼主は、旧知の仲なので楓が名古屋からでも駆け付けつける。

…「新しい仕事って?」

「うん、食事指導して欲しいって頼まれてて」

「そうなんだ、相手は東京の人なの?」

「うん、まぁ、偶然知り合った人なんだけどすごく興味もってくれてて、またそのうちゆっくり話するね」…

相手がMAKIDAIとは、まだ言えない。
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