神様修行はじめます! 其の五
「一緒に行けない? なぜだ?」


「ごめんなさい……」


 門川君の眉間のシワが、ますます深まる。


「皆の視線が怖いんだな? そんなものに怯えてどうする」


「…………」


「あんなに誓い合ったのに、君はそうして座り込んだままでいるつもりか?」


「そうじゃないよ……」


「君は、僕と結ばれたくはないのか?」


「そうじゃないんだよ」


「もう僕のことを、好きではなくなったのか? 君の僕への愛とはそんなものか?」


「そ、そうじゃないったら」


「その程度だったのか!? そんな軽い気持ちで、君は僕と何度もキスをしたのか!?」


「わー!? だ、だから、そうじゃないってさっきから言ってるじゃん!」


「じゃあ、なんだと言うのだ!? はっきり言いたまえ!」


「足が痺れて動けないから、先に行っててって言ってんの!」


「…………」


 シーンと静まり返った大広間に、あたしの罵声が響いてしまって、思わず赤面する。


 んもおぉぉーー! 超恥ずかしい! だから嫌だったのに!


 花嫁アピールどころか、ろくに正座もできない笑い者なのが、バレちゃったじゃんかー!


 長たちの真ん前でヒザなんか崩せないし、まさかアグラもかけないし!


 実は脂汗かきながら、せっかく必死になってガマンしてたのに!
< 36 / 587 >

この作品をシェア

pagetop