君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜



きゆと流人は、島の反対側にある本田栄次郎の家に向かっている。

月に一回は必ず病院へ顔を出していた本田が、この一か月病院を訪れることはなかった。
心配したきゆが電話をしてみると、元々悪かった腰がまたぎっくり腰になったらしいと言うのだ。

その話を聞いた流人はすぐに診察に行きたいと言った。
高齢で一人暮らしの本田の家族は、誰一人島には残っていない。
きゆはすぐに行きたいと言ってくれた流人の心遣いが、本当に嬉しかった。


「それより、あのマッチョ、なんで、毎日病院にくるんだ?」


今日は流人が運転している。
最近は、島の道を覚えたせいで、車を運転するのが楽しかった。


「夏祭りの準備で忙しいみたい」



「いや、それはないな」



「なんで?」



「だって、別に病院に来なくてもいいはずなのに、あえて、昼休みに病院にやって来るってことは」


きゆは半分だけ流人の話を聞いて、窓からの景色を見ていた。


「あいつも、絶対、白衣のきゆ目当てなんじゃないかと思ってる」


またそれ??
きゆは静かに目を閉じコメントを控えた。


「夏になって、きゆの足からストッキングが消えただろ?
白衣の下の生足にあいつも気づいてるんだ。

きゆ、マジでヤバいからな。
あいつ、きっとエロだぜ」



いやいや、瑛太はどうかは知らないけど、流ちゃんこそがマジでヤバくてエロなんじゃないかと思うんですが…

明日からストッキング履かせていただきますね…



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