君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜
「ちょっと、ここに停まっていい?」
流人は海水浴場の駐車場に車を停めた。
「本当に、綺麗だよな…
こんな海で当たり前にように泳いでたきゆ達が羨ましいよ」
流人は車から降りて、近くにある自動販売機から缶コーヒーを2本買ってきた。
1本をきゆに渡すと、もう1本はあっという間に飲み干した。
「コーヒーは美味いし、隣に乗ってるきゆは可愛いし、俺は本当に幸せ者だ。
でも、きゆは、俺には見せない優しい笑顔を、あのマッチョには見せるんだよな~~
俺にはいつも厳しいくせに、マッチョが来たらフニャ~ってなってる」
「なってないよ」
「なってます。
ねえ、あいつにさ、もう病院に来ないでって言ってくれない?
ただでさえ暑いのに、あんなマッチョが来たらなおさら暑苦しいよ」
「流ちゃん、言い過ぎだよ。
それに、病院に来ないでってそんな事言えない。
ちゃんとした用があって来てるんだから」
流人は目を細めふてくされている。
すると、突然、流人がきゆの体にのしかかってきた。
「流ちゃん、どうしたの?」
「あいつとキスとかしてないよな?
キスがしたくなったらいつでも俺に言うんだぞ。
飛んでくるから。
俺以外の奴とのキスとか絶対あり得ないからな…」
流人はそう言うと、きゆのおでこに優しくキスをした。