御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
「香奈美、メッセージちゃんと見た?」

「え!?ちゃんと見たよ?」

ムッとしたままの将生からメッセージをもう一度見直すように言われて、カードを手に取る。

「あっ!」

「分かった?」

気付いて声をあげた私に将生がからかうように笑う。

《誕生日おめでとう!こんな風に花を送るのは最後になるかな?》



『贈る』じゃなくて『送る』‥‥だ。



「来年からはさ、郵送する必要ないと思うから」

「将生‥‥」

なんて返事をしたらいいのか分からなくて黙り込んだ私に、将生が優しく話しかけてくれる。

「絶対土曜日に帰るから。ちゃんと香奈美の顔見て話したい」



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