御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
これ以上の追求がなくなってホッとしたのを隠すことなく、井深さんはそそくさとオフィスに帰っていった。
「‥‥まさか井深さんがあんな人だとは思いませんでした」
2人きりになってからの沈黙に耐えられずに私から声をかけた。
「まあ、女性から見たら褒められた態度ではないでしょうけどね。でも人としても営業としても尊敬出来るひとですよ。
女性に対して本気になれないのも理由があるみたいだし」
肩をすくめて井深さんのフォローをしながら私に向かって歩いて来る。
「で、でも理由があるなら人を傷付けていい事にはならないです」
返事をしながら後ずさるが数歩で背中に棚が当たり、思わず後ろを振り返った。
私が焦ったのが判ったのか、坊っちゃまの笑みが深くなる。
‥‥前にもこんな事があった。あの時もこの黒い瞳に捕らえられたんだ。
「‥‥まさか井深さんがあんな人だとは思いませんでした」
2人きりになってからの沈黙に耐えられずに私から声をかけた。
「まあ、女性から見たら褒められた態度ではないでしょうけどね。でも人としても営業としても尊敬出来るひとですよ。
女性に対して本気になれないのも理由があるみたいだし」
肩をすくめて井深さんのフォローをしながら私に向かって歩いて来る。
「で、でも理由があるなら人を傷付けていい事にはならないです」
返事をしながら後ずさるが数歩で背中に棚が当たり、思わず後ろを振り返った。
私が焦ったのが判ったのか、坊っちゃまの笑みが深くなる。
‥‥前にもこんな事があった。あの時もこの黒い瞳に捕らえられたんだ。