L'eau, je suis important...
でも…。今は舞羽ちゃんの体調のほうが心配だ。
悠太が起きたときに、舞羽ちゃんが体調不良なんてそんなの嫌だ。
だから…。
僕は話す覚悟を決めた。
「舞羽ちゃん。今から話すことは、僕から聞いたことを悠太に言わないでほしい。もし悠太が意図的にこの話を隠していたのなら、僕はその気持ちを踏みにじることになるから。でも、話さないことで舞羽ちゃんが不安になってほしくない。だから話す。約束、守ってくれるかな?」
ゆっくりと舞羽ちゃんの顔を覗き込むと、少し口角を上げた舞羽ちゃんが頷いた。
「舞羽ちゃんが会ったその男はきっと悠太で間違いないと思う。だって悠太は蝶月に入ってるから。」
「やっぱり…」
小さく漏れた言葉に頷いた。
「悠太が怪我をしたのは、昨日の夜中だった。昨日は炎龍と蝶月の抗争が起こってね。そこで怪我をしたんだ。」
「炎龍…さん…と……?」
頭に?が飛び交っていた。
なんで炎龍と?って思ってるんだろうな…。
そこもちゃんと説明しないとな…。
「蝶月は違法ドラッグをしていたり、拳銃やナイフを使ったりする暴走族を潰すためのチームらしいんだ。だから蝶月は暴走族と少し違うんだって。
それで、昨日は蝶月が薬をしている炎龍を潰すために抗争があったの。」
「……炎龍さんは薬をしていたの…?
前にその噂が流れたとき、佐藤くん否定してたよね……?」
不安で瞳が揺れた。
きっと教卓で話をしたことだよね…
「あの時は証拠もなかったし、炎龍が薬をしてるなんてありえないって思ってたから…。でもそのあとに、証拠が出てきた。
僕はさ、信じたくなかったんだよ。また炎龍が薬をやってるなんて…」
ヤクさんたちの顔が頭をよぎった。
軽く頭を振って、悲しい出来事を振り切る。
「“また”?」
「僕ね、もともと炎龍にいたんだ。僕が居たときも薬をしてたんだ。今みたいな正統派の族に導いたのは紛れもなく陽向と碧海だよ。」
不器用な彼らの顔を思い浮かべると顔がほころんだ。