L'eau, je suis important...
「いや…。なにも…。でも…」
やっぱり言ってないか…。
「そっか…。でも何…?」
深く考えてこんだら、声が冷たくなりがち。そうならないように意識的に優しく声をかける。
「この前…。夏休みの終わりくらいかな。蝶月っていうグループ?チーム?が毒牙っていうのを潰すっていうのを聞いて…。それでその現場にたまたま居合わせたの。」
「え!」
舞羽ちゃん、蝶月のこと知ってるの!?
「舞羽ちゃん怪我しなかった?」
「うん。大丈夫だったよ。」
ホワっと笑うと話を続けた。
「ある一人の男の人が悠太くんと同じピアスをつけてて…。悠太くんのピアス、デザインは珍しくないんだけど、悠太くんと一緒のピアスは見かけたことなくて…。だから悠太くんかなって思ったけど…。でも次の日にはそんなこと忘れてたから、悠太くんには確認していないんだけど…。それと何か関係があるのかな…?」
確かに悠太のピアスは、店で見かけたことがない。
きっと1点物のピアスなんだと思う。
舞羽ちゃんが言うその男はきっと悠太で間違いない。
悠太が舞羽ちゃんと会ったことに気づいたかはわからないけど、悠太が話してないのなら、話さないほうがいいんだろうか…。
舞羽ちゃんには悠太の言葉を信じてほしいから、僕からは話したくない。
でも、話さないことによって舞羽ちゃんが不安になって体調でも崩したら…と思ったら話したほうがいいんだと思う。というか話したい。
矛盾した2つの気持ちがぐるぐると渦巻いていた。