L'eau, je suis important...
「私にできることなら…!」
何でもする!
「2人が別れることを決めたのなら何も言わない。というか口出しできない。
だから、そうなるまではどうか悠太の側にいてあげて。お願いします!」
大﨑くん…。
目の前が少しぼやけながらも口元は緩んだ。
「俺のせいでいっぱい辛い思いをさせてしまったと思う。兄弟が自分のことを忘れるなんてそんな辛いことないし…。」
ボソボソと付け加えるように言った。
思ってもみなかった大﨑くんからの嬉しいお願い。
じんわりと胸の奥が暖かくなった。
それと同時にひょっこりと顔を出す悪い自分。
悠太くんがいくら私を嫌っても、離れることになるまではずっと側にいれる…。
大﨑くんからのお願いという口実ができた。
悠太くんが迷惑だとか嫌われるとかそんなこと考えずに悠太くんの側にいれる、そんな甘い考えをした自分を振り払うように首を振った。
大﨑くんはそんな気持ちで言ったんじゃない…!
「大﨑くん、私悠太くんの側にいるからね。でもそれは大﨑くんからのお願いもあるけど私自身が悠太くんの側にいたいから、だから側にいるね。」
「ありがとう…。悠太は幸せ者だね。
こんなに自分を想ってくれる彼女がいて。」
「そんな…!」
手を顔の前でブンブンと振った。
大﨑くんの言葉を聞いて、さっきあんなことを思ってしまったことに対する罪悪感で胸がいっぱいになった。