L'eau, je suis important...


会話が終わって、その時間に浸っていると大﨑くんから何気ない質問が飛んできた。


それで何となく悠太くんの話は終わったんだなと思った。


「ねぇ。舞羽ちゃんって兄弟はいるの?」


「いやいないよ。私ひとりっ子。」


その質問にどんな意図があるのかわからずに?が頭の上を飛んだ。


「そっか…。俺は3人兄弟なんだ。」


3人?


ということは、悠太くん大﨑くんの他にあと一人いるってことだよね。


弟さんかな?お兄さんかな?


「そうなんだ。お兄さん?弟さん?」


「弟。でも今はもういない…。」


弟さんか〜。

悠太くんは長男だったんだ。


いない…?どういう意味だろう…。


「遠くにいらっしゃるの?」


「いや、死んだ。」


「……え…?」


「事故でね。俺が記憶喪失になったのも弟が死んだからなんだ。そのショックで寝込んでそこから。」

「そう、なんだ…」


事故…。

お父さんも事故で失くしてたのに…。


身内を2人も事故でなくすなんてどれだけ辛い思いをしたんだろう。

それに加えて、瞳のことで色々言われて…。


「俺と双子だったんだ。俺の瞳は青に近い黒だけど、弟は悠太のような赤い瞳だったんだ。燃えるような赤。」


そっか。

弟さんも悠太くんと同じだったんだ。


「そうなんだ」


それから、大﨑くんに悠太くんのこととか色々話してもらった。

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