L'eau, je suis important...

＊＊

舞羽ちゃんに声をかけ、大﨑の病室を出た。

そして望くんのところに向かった。


ーコンコン。

「はい。」

ノックをすると、少し警戒したような硬い声が聞こえてきた。

「失礼しま〜す」

できるだけ柔らかい声で言うと、望くんはホッとしたように僕の名前を呼んだ。

「玲か…。」

「驚いた!?びっくりさせてごめんね〜」

ゆるりと微笑むと、望くんは少し怒ったように眉間にシワを寄せた。

「ばーか。
……でも、お見舞い来てくれてありがと。」

小さかったとは言え、この静かすぎる病室では、しっかりと僕の耳に入った。

ほんとにツンデレなんだな。


思わず口角があがった。

「なに…？」

そんな僕を怪訝そうに見た。

「いーや。何でもないよ。
それより身体、どうなの？」

包帯が巻かれ、しっかりと固定された足をちらっと見ながら聞いた。

「うん、まぁ。大丈夫。
それより悠太は!?無事なの!?」

「悠太は、生きてるよ。ちゃんと。」

僕の言葉を聞き、安堵のため息をもらした。

「そっか…。よかった…。」