借金取りと私の関係【完】
「負けたのは、俺なんだよ」



「…え?」



私の髪を優しく撫で、黒崎さんがどこか自嘲気味に笑う。



「ゲームに負けたのは俺だよ」



私の涙を拭い、温もりのある目で私を見た。



「ゲームを始めた頃には負けてたんじゃないかな、本当は」



いやもっと前か、と笑う黒崎さん。



私の頬を包んで。



「父さんから聞いたんだ。柚葉に借金があること」



「黒崎さんの…?」



「あぁ。…不倫した方とされた方。どっかで繋がりがあったんだろうね」
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