借金取りと私の関係【完】
私の涙の跡を親指で撫でる黒崎さんに、さっきまでの冷たさは微塵も感じない。



「たぶんそのときから、俺は気になってたんだと思う。アンタが」



「…っ」



「だからバカみたいな提案持ちかけて、どうにか近づいて」



私の頬に触れるようなキスをして、黒崎さんが眉を下げて笑った。



「俺が夢中になってた」



安心したのか、緊張の糸がほぐれポロポロと涙が溢れる。



その涙を拭いながら、私は黒崎さんに問いかけた。



「じゃあなんでさっき…」



黒崎さんは僅かに目を逸らして。
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