副社長とふたり暮らし=愛育される日々
なんだかいろいろなことに呆れて、私はがっくりと肩を落とし、情けない声を漏らす。


「なんで連帯保証人になんてなったの~」

「いや、あいつは絶対道理に外れたことはしないヤツだったんだよ。それがまさか二年も家賃滞納して逃げるとは……。人って変わるもんだよなぁ」

「しみじみ言ってる場合か」


遠い目をして語る呑気なお兄ちゃんに、副社長が淡々とつっこんだ。

いくら仲が良い友達でも、お金の貸し借りだけは気をつけなきゃいけないって教わらなかったかな!? こんなにお人よしな人だとは思わなかったわ……。

頭を抱える私に、お兄ちゃんは両膝に肘をついて前屈みになり、真剣な顔で言う。


「でも安心してくれ。働きまくって、なんとか借金は返し終わったんだ。でもやっぱり泣き寝入りは悔しいから、あいつの居場所突き止めてみっちり説教して、俺に返すように念書書かせてきた」

「その居場所が北海道だったんだと。それでついさっき戻ってきたってとこだろ」


足を組み、優雅にコーヒーに口をつける副社長が補足して、お兄ちゃんは「その通り」と頷いた。

なんだ、ふたりはそんなに連絡を取っていたのか……。私に心配かけさせないために、すべて内緒にしていたのだろけど、急に出ていって全然帰ってこないんじゃ、結局心配するっつーの。

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