副社長とふたり暮らし=愛育される日々
そっと中を覗くと、窓側のテーブルで資料を整理している三嶋さんと、そのすぐそばに腕組みをして立つ女性が見える。さっき『ねぇ?』と言ってきた、女子力高めの唐木さんだ。

私のことを話しているのは唐木さんで、彼女はとっても面白くなさそうな顔をしている。あからさまに嫌そうだ。

会議中はニコニコしていたのに……やっぱり私のことが気に食わないらしい。

うわー……と苦笑しつつ、聞かなくてもいいことに聞き耳を立ててしまうのはどうしてなのだろう。


「三嶋さんが無理だって言ってるのに、柴田さんは余計なこと言い出すし」

「私は無理だとは言ってないわよ」


口を尖らせる唐木さんに、三嶋さんはそっけなく言い放った。

そんな彼女の顔を覗き込むようにして、唐木さんはまだまだ不服そうに話を続ける。


「でも、乗り気ではないでしょう? こっちが苦労するのは目に見えてるし、彼女ひとりのわがままには付き合ってられませんって」


あぁ、やっぱりそう思われているんだ。わかってはいたけれど、はっきり聞いてしまうとちょっとヘコむ。

肩を落とす私の耳に、またもや聞き捨てならない言葉が飛び込んでくる。


「モデルにしてもらえたのも、男性陣に色目使って取り入ったせいだったりして。それで副社長からもちやほやされるなんて、ズルいですよねぇ」

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