副社長とふたり暮らし=愛育される日々
どこからか隙間風が入ってくる寒い家に上がると、居間の電気をつけて、こたつの上にケーキの箱を置いた。
あぁ、滑稽だ。ひとりでこれを食べたって、美味しく感じられるわけないじゃない。
「もう……早く帰ってきてよ。お兄ちゃんのバカ……!」
つい本音を口にしたら、じわりと目頭が熱くなってくる。
コートも脱がず、暖房もつけずに、私はその場に座り込み、一粒涙をこぼした。
何もやる気が起きなくて、しばらく膝を抱えて顔を埋めていた時。ピンポーンと音が鳴り、はっとして顔を上げる。
時計の針は午後六時半を指すところ。あの人が帰ってくる時間も、だいたいこのくらいだった。
……まさか!?
飛び上がるように立ち上がった私は、一目散に玄関へと向かう。サンダルを突っかけ、鍵を開けるのももどかしい。
「お兄ちゃんっ!?」
引き戸を勢い良くガラッと開けると同時に叫んだ。
そこに立つ人物を見た私は、目を見開いて固まる。
「メリークリスマース」
若干棒読みで言ったその人は、サンタクロースの帽子を被り、鼻と髭がついたおもちゃの眼鏡をかけている。それとはアンバランスなスーツ姿で。
背丈は似ているけど声はまったく違うし、明らかにお兄ちゃんではない。
どう見ても不審者か、変な訪問販売をしている人だ。
あぁ、滑稽だ。ひとりでこれを食べたって、美味しく感じられるわけないじゃない。
「もう……早く帰ってきてよ。お兄ちゃんのバカ……!」
つい本音を口にしたら、じわりと目頭が熱くなってくる。
コートも脱がず、暖房もつけずに、私はその場に座り込み、一粒涙をこぼした。
何もやる気が起きなくて、しばらく膝を抱えて顔を埋めていた時。ピンポーンと音が鳴り、はっとして顔を上げる。
時計の針は午後六時半を指すところ。あの人が帰ってくる時間も、だいたいこのくらいだった。
……まさか!?
飛び上がるように立ち上がった私は、一目散に玄関へと向かう。サンダルを突っかけ、鍵を開けるのももどかしい。
「お兄ちゃんっ!?」
引き戸を勢い良くガラッと開けると同時に叫んだ。
そこに立つ人物を見た私は、目を見開いて固まる。
「メリークリスマース」
若干棒読みで言ったその人は、サンタクロースの帽子を被り、鼻と髭がついたおもちゃの眼鏡をかけている。それとはアンバランスなスーツ姿で。
背丈は似ているけど声はまったく違うし、明らかにお兄ちゃんではない。
どう見ても不審者か、変な訪問販売をしている人だ。