その灯火が消えるまで



それから、私の入院生活が始まった。



血管の機能衰退の進行を少しでも遅らせるためには、あまり体に衝撃を与えずにいること。



でも、まだ病気は全然進行してなかったから、私には自覚がなかった。





「やだっ、お母さんっ!
ゆうひ、おうち帰りたいよ!」


病室から出ていこうとするお母さんは、
泣きそうな顔をしながら言った。



「ごめんね、結灯。明日も来るから。

結灯はここにいないと、病気が進行しちゃうの。

………お母さんも、もっと一緒にいたい」



そのお母さんが泣きそうな顔をするのを
何度か見て。


お母さんにこんな顔をさせたくないな。




だんだん、だんだん、
そう思うようになった。

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