その灯火が消えるまで
24
「貴也、バイバーイ」
「おう、バイバイ」
3月。
俺はサッカー部に入った。
けっこうブランクはあったけど、
それでも、またやりたいと思えたから。
春が目前に迫った二年の冬だけど、
レギュラーに入れたし、翼もクラスメートも何人かいるし、すごく楽しい。
クラスメートや翼、瑠衣たちはだんだんと明るさを取り戻してきた。
瑠衣も最近は元気に話してる。
俺は、これでいいんだろうかって思ってる。
以前結灯に
『なあ、翼と瑠衣だけでもさ』
って言いかけたけど。
『だめ。絶対、だめ。
二人は絶対悲しむから、やだ。
せめて私が死んでからにして。
貴也にだって、言うつもりなかったんだもん』