その灯火が消えるまで
「……いや。むしろ、あれに助けられた」
「……ほんと?」
結灯らしからず、不安げな顔。
こんな顔もするのか、と。
正直、驚いた。
「本当」
「……よ、よかったぁ……!」
「ワウ?」
蛍太郎を抱き締めながら安心したように笑う。
「…………貴也が、困ってたから。
…………貴也が、固まってるのが見えたから。
だから私、勝手に携帯変わって切っちゃって。
ほとんど後先なんて、考えてなかったんだ。
やったあとに、『しまった』って思ってさぁ」
はー、とため息をつきながらも、安堵からか、結灯の目元は下がってる。