純情シンデレラ
「だから、俺じゃないって言ってんだろ!」
「まあ。あなたって人は。この期に及んで、私が痴漢に遭ったことをまだ否定するんですか!」
「否定はしない」
「はいはい。じゃあちょっと待ってくださいよ。えーっと、お嬢さんは、先ほど乗られていた列車内で、痴漢行為に遭われた。これは間違いないんですね?」と、駅長さんに聞かれた私と「悪党」の男性は、「はい」と肯定して頷いた。
「それで?」と駅長さんは言いながら、悪党の男性の方を見た。
「この人の話を聞きましょう」という駅長さんの考えに、私は黙って従った。
「俺は、このオン・・お嬢さんの尻に触ってる痴漢野郎の手を掴もうと手を伸ばした。もちろん痴漢野郎を止めるためです。そうしたら、この威勢のいいお嬢さんから手首を掴まれた挙句、こいつは俺が痴漢野郎だと勘違いをした。いや、今でもしている」
「な・・・」
「確かに、このお嬢さんは痴漢に遭ってましたよ。それは否定しない。だがやったのは俺じゃない」
男性はそうキッパリと言いきると、隣に座っている私の目を、しかと見た。
その勢いと・・・誠実さのようなものを感じた私は、一瞬怯んだものの、男性の視線をしかと受け止めた。
「まあ。あなたって人は。この期に及んで、私が痴漢に遭ったことをまだ否定するんですか!」
「否定はしない」
「はいはい。じゃあちょっと待ってくださいよ。えーっと、お嬢さんは、先ほど乗られていた列車内で、痴漢行為に遭われた。これは間違いないんですね?」と、駅長さんに聞かれた私と「悪党」の男性は、「はい」と肯定して頷いた。
「それで?」と駅長さんは言いながら、悪党の男性の方を見た。
「この人の話を聞きましょう」という駅長さんの考えに、私は黙って従った。
「俺は、このオン・・お嬢さんの尻に触ってる痴漢野郎の手を掴もうと手を伸ばした。もちろん痴漢野郎を止めるためです。そうしたら、この威勢のいいお嬢さんから手首を掴まれた挙句、こいつは俺が痴漢野郎だと勘違いをした。いや、今でもしている」
「な・・・」
「確かに、このお嬢さんは痴漢に遭ってましたよ。それは否定しない。だがやったのは俺じゃない」
男性はそうキッパリと言いきると、隣に座っている私の目を、しかと見た。
その勢いと・・・誠実さのようなものを感じた私は、一瞬怯んだものの、男性の視線をしかと受け止めた。