純情シンデレラ
こうして「つるかめ食堂」での給仕の仕事癖が、つい出てしまった私は、給湯室まで行く途中、部屋にいた営業の人たち全員に「飲み物はいりませんか?」と聞いて回ってしまい、結局、私を含めて25人、つまり全員分の飲み物を用意した。

「いやぁ、ありがとうありがとう!実に嬉しいねぇ。ここはお茶を淹れるのも基本、セルフサービスだからねぇ。たまーにむさ苦しい男の部下が茶を淹れてくれるが、やっぱり女の子が淹れてくれる茶の方が、数倍美味しく感じるよ」
「そうですか?喜んでいただけて嬉しいです・・・はい。コーヒーお持ちしました、石狩さん」
「ありがとう!」





「手早く終えた上にミスが一つもない。実に手慣れたもんだな」
「もう何年も食堂でやっていることですから」

「お茶くみしていると名前もすぐ覚えることができますよ」ってアドバイスしようかと思ったけど、結局言わないでおいた。
その代わりに私は「入力する記事を貸してください」と松本さんに言った。

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