純情シンデレラ
「・・・えっ!?じゃあ姫路さんが・・・」
「たぶんな。まだ本人には問い詰めてないが。俺の席あたりをうろついていたあいつが何か持って行ったようだと、営業の何人かが言っていた」

ソファに座って逞しい両腕を組み、鼻から荒く息を吐いた松本さんは、まさにゴリラみたいだ。
・・・なんて、一瞬でもそんなことを思ってしまった私は、つい笑いそうになってしまったけど、もちろん笑わなかった。

「俺が言いたいのは、俺が持ってるフロッピーは、社内報のデータと、書式フォームの2つだけです。だから他の重要な社内データが、あいつによってどうこうなってるとは思わないので、詳しく調べる必要はないと思うんですが」
「その可能性は高いな。だが、会社の全データを管理している電算課課長として、念のためにチェックだけはしておくよ」
「そうですか。いろいろと面倒かけてすいません」

松本さんはそう言って、ソファから立ち上がると、上野課長に頭を下げて謝罪をした。

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