純情シンデレラ
あの二人こそ、「美女と野獣なカップル」と言うに相応しい・・・美女と野獣のカップルがどうのこうのと言ってたのは、食堂のおばちゃんだったっけ、なんて思いながら、私は、松本さんにピッタリとくっついているように見える姫路さんと、彼女を引き離そうとしない松本さんから、ようやく目を逸らした。

・・・さっき松本さん、「こっちに来い」って口を動かしてたと思ったんだけど・・・あれは私に向かって言った言葉じゃなかったんだ・・・。

それならそれで別にいいけど!
「悲しい」なんて・・思ってないし。
ただ、見たくないものを見たような・・・いや。
松本さんの汗を拭いている姫路さんが、勝ち誇ったような微笑みを、確かに私に向けたことで、何かこう・・見せつけられたような気がする。
おかげで、どれほど勘違いをしていたかが分かった私は、何らかの呪縛が解けたような気がしながら、胸の内の一部分がスッキリしなかった。

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