純情シンデレラ
どうしよう!姫路さんに見つかってしまったかしら。
もっと遠くへ歩いて隠れた方が・・・でも今動いちゃうと、余計目立つかも・・・。

私は、右手に持っていた布製トートバッグを胸のところに持ってくると、それを両手でギュッと抱きしめるように持って、両目を瞑った。

妙に心臓の鼓動が強くドキドキしているような気がする。
どうか姫路さんに見つかりませんように・・・このまま私の存在なんて気づかずに、サッサと帰ってくれないかしら・・。

30秒くらいか、それ以上、そのままの恰好でいた私は、思いきってクルッと後ろをふり向いた。

・・・姫路さん、いない。
左右、どちらの方向にも姫路さんの姿が見えないところを見ると、どうやら商店街の終わり側の方へ行ってくれたらしい。
あぁ良かった・・・。

心底ホッとした私は、深く安堵の息をついた。

やっぱり、来ない方が良かったかな。
そうじゃなくて、来るべきじゃなかった・・・だよね。

< 143 / 530 >

この作品をシェア

pagetop