純情シンデレラ
今にも泣きそうな顔で、必死に頼みこんでいる私のことを、松本さんは、「うっとうしい」と思ってるかもしれない。
「こんな出しゃばり女の顔なんか見たくない。一刻も早く帰ってほしい」とも、思っているかもしれない。
でも私は、松本さんにそう思われてもいいと思っている以上に、食事以外で松本さんの役に立ちたいと、強く思っていた。

せめて今日だけでも・・・。
このまま帰りたく・・・ない。
って私、思ってる・・・。

目が覚めたようにハッとした私は、思わず瞬きをした。
そして、目を開けた瞬間、小さな自分の顔が映っている、松本さんの黒い瞳が見えて、今度はドキッとしてしまった。

・・・やっぱり、帰った方がいいのかもしれない・・・。

頬が火照るのを感じながら、「ぁの・・・」と言いかけた私を制するように、松本さんは「じゃあ君に頼もう」と言った。
さらに、いかつい顔をニッコリさせた松本さんを見て、私の心臓が、またドキンと跳ね上がった。

お互いにとって、これで良かった・・・のよね?

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