純情シンデレラ
「私のこと・・・怒ってない、ですか」
「なぜ君に怒らなきゃいけないんだ。俺は自分自身に腹が立ってるんだ。ったく。いいところを見せようと、張り切り過ぎた結果がこれだ」

松本さんは、ムスッとした顔で、怪我をしている自分の足を指さした。

「あ・・・姫路さんに」
「姫路に関しては、苛立ちしか沸かん。それより、あいつの名前を出すのはいい加減やめろ」
「だったら、誰にいいところを見せようとしたんですか」
「君意外に誰がいる」
「・・・え?わ、わたし?!なんで・・」
「それは・・だな、決まってるじゃないか。あれだ・・・“たんぽぽ”に試合結果を書いてもらうためだ。やっぱり結果は良い方が、君も書き甲斐があるだろ?」
「えっ。でも私・・は、入力だけお手伝いする約束ですから・・・」

・・・松本さんは、私に社内報の記事を書かせることまで手伝わせたかったから、あんな・・・思わせぶりなこと、言ったのか。
ドキドキして損したという気持ちを隠すように、しかめ面をした私は、その手には乗らないといった強い口調で、「記事は書きませんよ!」と松本さんに言った。

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