純情シンデレラ
私は、松本さんのガシッとした広い背中を見ながら「良かった」と思っていた。
そして、松本さんの大きな手から伝わる温もりにも、なぜかホッとしていた。
「・・・すみません」
「いい。あと1駅だからな。タクシーに乗っても電車に乗っても、会社に着く時間はそんなに変わらんだろ。それより君」
「はい?」
「もう少し前に・・せめて俺の隣に来てくれないか。空気に向かって話しているようで、少々虚しい」
「あ・・あぁはい!」
松本さんが立ち止まってくれたおかげで、私は1・5歩ほど前に進み出るだけで良かった。
そして、私が松本さんの隣に立ったのと同時に、松本さんは私から手を離した。
・・・もうおチビな私を引っ張って歩く必要なんてないから・・・。
私は、所在なげに掴まれていた左手の拳をギュッと握ると、パッと開いた。
「悪い。痛かったか。手」
「え?いえっ。痛くない・・です」
本当に痛くなかったので、松本さんを安心させるように笑顔を浮かべながら、私は自分の鼻にかけている銀縁メガネを気持ち、上げた。
別にメガネを上げる必要はないんだけど・・・これは落ち着かない時の私のクセだ。
「そうか」と言った松本さんも、目と口元に笑みを浮かべてくれた。
おかげで私は落ち着きを取り戻し、その場の雰囲気も穏やかになったような気がした。
そして、松本さんの大きな手から伝わる温もりにも、なぜかホッとしていた。
「・・・すみません」
「いい。あと1駅だからな。タクシーに乗っても電車に乗っても、会社に着く時間はそんなに変わらんだろ。それより君」
「はい?」
「もう少し前に・・せめて俺の隣に来てくれないか。空気に向かって話しているようで、少々虚しい」
「あ・・あぁはい!」
松本さんが立ち止まってくれたおかげで、私は1・5歩ほど前に進み出るだけで良かった。
そして、私が松本さんの隣に立ったのと同時に、松本さんは私から手を離した。
・・・もうおチビな私を引っ張って歩く必要なんてないから・・・。
私は、所在なげに掴まれていた左手の拳をギュッと握ると、パッと開いた。
「悪い。痛かったか。手」
「え?いえっ。痛くない・・です」
本当に痛くなかったので、松本さんを安心させるように笑顔を浮かべながら、私は自分の鼻にかけている銀縁メガネを気持ち、上げた。
別にメガネを上げる必要はないんだけど・・・これは落ち着かない時の私のクセだ。
「そうか」と言った松本さんも、目と口元に笑みを浮かべてくれた。
おかげで私は落ち着きを取り戻し、その場の雰囲気も穏やかになったような気がした。