純情シンデレラ
またフッと笑って!
なんか、自分が負けたような気がして―――何に負けたのかは分からないけど―――悔しいと思っている私にとどめを刺すように、松本さんは「頑固者」と言うと、サッサと行ってしまった。
しかも「なんですってぇ!?」と言い返した私に、松本さんは歩きながら、右手を上げてあしらっただけだし!

何よそれ!
でも、「頑固者」と言ったあの人の口調はとても優しくて、愛情がこもっている響きがあった。まるで私のことを愛称で呼んでるみたいに。
そしてあの人は、この場を楽しんでいるような表情をしていたように、私には見えた。

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