純情シンデレラ
「いけばなは初めてなのに、あゆ子さんはなかなかセンスがありますね」
「あらそーお?あなたもそう思う?あたし、いけばな習おうかしら」という姫路さんの得意気な声が聞こえた途端、私たちは思わず二人がいる方を向いてしまった。

「やだっ。まさか会社のに来るつもり?こないでよっ」
「じゃあ私、来月も行かない方がいいかもしれない」

顔を合わせれば、お互い・・・いい気分にはならないことが目に見えてるし。
それに姫路さんは、松本さんのことで根本的な“勘違い”をしてるから・・・またあれこれ言いがかりをつけられるのは、もう嫌だ。

「しかしあゆ子さんには、いや、お嬢様は、その・・他の習い事もなさっているから。それで手一杯じゃあないですか?」
「・・・そうね。やめておくわ」

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