純情シンデレラ
まさか、松本さんから謝ってくるなんて。この人、意外と・・・優しい?
でも同時に、「犯人は、あなたじゃないんですよね?」とも思った。

もちろん口には出さなかったけれど、松本さんがムスッとした顔で私を睨み見た。

「言っとくが、犯人は俺じゃないからな」
「そんなこと言ってません」
「言わなくても君の顔を見れば分かる。まだ疑ってんだろ、俺のこと」
「そーんな・・・」

白々しくとぼける私に、余裕でつり革を持っている松本さんは、引き続き私を睨みながら、顔をグッと近づけてきた。
その近さに、私はドキッとしながら、持っていた手すり―――おチビの私には、つり革よりこっちの方がいい―――をギュッと握った。
それでも私は、内心のドキドキを表に出してないと証明するように、後ずさることもせずに、松本さんを見返した。
どうあがいても、松本さんの方がかなり背が高いので、上目遣いで見上げてしまうのはしょうがないとして。

< 21 / 530 >

この作品をシェア

pagetop