純情シンデレラ
「おまえらの挨拶が終わったならもう行くぞ」
「えっ?」と私が言ってる間に、松本さんは私の手を掴むと、扉が開いていたエレベーターにサッサと乗り込んだ。
「また後で!」と言いながら私たちに手をふってくれていた宇都宮さんの姿は、扉が閉まったことで消えた。
松本さんは、「2」のボタンをガンと押すと、私の手を離した。
「あのっ。松本さんだって時間が・・」
「それでも、君を電算まで送る。君は初日な上に遅刻をしてるんだ。一応俺も巻き込まれた一人として、君が正当な理由で遅れたと、上野課長に証明する必要がある」
「そぅ、ですか。それは・・お気遣い、どうもありがとうございます」
「ところで」
「はい?」
「ブラインドタッチって何だ」と松本さんが言ったとき、エレベーターが停まった。
その顔はもう、ムスッとしていない。よかった・・。
私は、「キーボードや指先ではなく、画面を見ながらタイプ入力することを、ブラインドタッチと言います」と、歩きながら簡潔に説明した。
「そうか」とだけ答えた松本さんは、何か考えているような顔をしているように見える。
でもそれは一瞬のことだったので、「私の気のせいだろう」で片づけた。
「えっ?」と私が言ってる間に、松本さんは私の手を掴むと、扉が開いていたエレベーターにサッサと乗り込んだ。
「また後で!」と言いながら私たちに手をふってくれていた宇都宮さんの姿は、扉が閉まったことで消えた。
松本さんは、「2」のボタンをガンと押すと、私の手を離した。
「あのっ。松本さんだって時間が・・」
「それでも、君を電算まで送る。君は初日な上に遅刻をしてるんだ。一応俺も巻き込まれた一人として、君が正当な理由で遅れたと、上野課長に証明する必要がある」
「そぅ、ですか。それは・・お気遣い、どうもありがとうございます」
「ところで」
「はい?」
「ブラインドタッチって何だ」と松本さんが言ったとき、エレベーターが停まった。
その顔はもう、ムスッとしていない。よかった・・。
私は、「キーボードや指先ではなく、画面を見ながらタイプ入力することを、ブラインドタッチと言います」と、歩きながら簡潔に説明した。
「そうか」とだけ答えた松本さんは、何か考えているような顔をしているように見える。
でもそれは一瞬のことだったので、「私の気のせいだろう」で片づけた。