純情シンデレラ
練習がもうすぐ終わるという頃、お父さんとお母さんが柔道場にやって来た。
そして練習が終わってから、お父さんとお母さんは、差し入れのコロッケを、子どもたちみんなに配ってくれた。
ひとり暮らしの松本さんには、コロッケ4つと、たきこみご飯のお弁当だ。

本当は、お母さんは仕事終わっていたはずなのに、私たちが出発した後、お母さんはコロッケをつくるために、「仕事がある」と言って残っていたのだ。
お父さんと二人で大きな包みを抱えあって、電車を乗り継いで道場まで来てくれた両親に、私は心から「ありがとう」と言うことしかできなかった。

「たまにしかできないことだからねぇ。それより松本さん、お昼もコロッケだったのに、またコロッケでごめんなさいね」
「俺コロッケ好きだから。全然構いません」
「あら。そうだったのぉ。だから恵子は今朝張りきってジャガイモ茹でてたのね」
「え?まぁ・・うん」
「それより恵子。運転上手じゃねえか。さすが俺の娘だ」

< 353 / 530 >

この作品をシェア

pagetop