純情シンデレラ
「ガキの頃、そういう話を聞いたことがあるよ」
「誰に」
「いわゆる“霊”とか“魂”が視えたり、それらと交流ができるというおばさんが近所に住んでたんだ。死者が赤色の服を着ているというのは、“自分は元気だ。ただしあの世で”というメッセージらしい」
「へぇ」

私は心の底から感心しながら、冷めかけた熱燗をチョビッと飲んだ。
お酒は時々しか飲まない私は、ゆっくりペースで飲むことにしている。

「信じるのか?」
「うーん。信じるも信じないも別に・・信じますよ。夢の姫路さんが、私に何を話しかけていたのかは覚えてないから」
「君の言うことはよく分からん」と言って、コロッケを頬張る松本さんがおかしくて、私はクスッと笑った。

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