純情シンデレラ
私は、周囲に立っている人たちを押し退けるように右手を後ろに伸ばした。
今の自分によくこんなバカ力があったなと、私自身が一番ビックリした。
でもこれは、私が本来持っている力と言うより、こんな形で余計な注目を浴びることになってしまったことと、そういう目に私を遭わせた痴漢男に対する怒りの感情が、いわゆる「火事場」の力を与えてくれたのだろう。
私のお尻を撫で回していたイヤらしい手を、そこから引き離すように、私はごつい手首あたりをパッと掴んだ。
そしておチビな私が、その手首を持っている手をできるだけ上に上げながら、「痴漢行為は止めてください!」と、意外な大声で叫んだのと、「こら!」と威嚇する低い声が重なった。
それと同時に、電車のスピードが少しずつ落ちてきた。
もうすぐ次の駅に着くんだ!良かった・・・。
今の自分によくこんなバカ力があったなと、私自身が一番ビックリした。
でもこれは、私が本来持っている力と言うより、こんな形で余計な注目を浴びることになってしまったことと、そういう目に私を遭わせた痴漢男に対する怒りの感情が、いわゆる「火事場」の力を与えてくれたのだろう。
私のお尻を撫で回していたイヤらしい手を、そこから引き離すように、私はごつい手首あたりをパッと掴んだ。
そしておチビな私が、その手首を持っている手をできるだけ上に上げながら、「痴漢行為は止めてください!」と、意外な大声で叫んだのと、「こら!」と威嚇する低い声が重なった。
それと同時に、電車のスピードが少しずつ落ちてきた。
もうすぐ次の駅に着くんだ!良かった・・・。