純情シンデレラ
「俺が言ったのは電“車内”でという意味だ。会“社内”じゃない」
「・・あ・・あぁ。そうでしたか。なんだ・・・。私、一本前の電車に乗ってるんです。通勤2日目から」
「そうだったのか・・。だがそれだと会社に早く着き過ぎるだろ」
「そうですね。30分くらい。でもあの電車に比べると、乗客はすごく少ないのでラクですよ。しかも端の車両だと、悠々座れるんです」
「君は、会社に早く着いてから始業までの間、一体何をしてるんだ?」
「え?お掃除とか。みなさんが着いてすぐに暖かい飲み物が飲めるように、お湯を沸かしたり、コーヒーを淹れたり。そうこうしているうちに、上野課長や舞浜次長も出社されますから」
「それだと結局君が全部やってることになるじゃないか」
「いいじゃないですか。私は自分の都合で一番早く出社してて、準備をする時間が十分ある。それだけのことです。それに、自分の席は、各自でお掃除すると決まっているから、私はそこまで手をつけてないんですよ」

< 73 / 530 >

この作品をシェア

pagetop